令和7年秋の挨拶
秋の花ヒガンバナはヒガンバナ科の多年草で、その名は秋のお彼岸 の頃に花茎を出し花を咲かせるところからつけられたものでしょう。
花が枯れるとこんどは葉が出てきて、その形で越冬します。また、この花は寺院の境内や草地などに咲くので、ユウレ イバナ(幽霊花)、シビトバナ(死人花)などの別名もあります。
じつをいえば、ヒガンバナは雑草と違って、自然に生えてき たものではありません。わざわざ墓地などに植えたものです。
ヒガンバナは種子をつくらず、球根だけで増えます。ですから、 人里離れたところにはヒガンバナはみられません。
もともと中国から伝播した植物で、中国のヒガンバナは結実するそうです。
では、なぜ墓地にヒガンバナを植えたかといいますと、これが救荒(きゅうこう)植物であったからです。 ヒガンバナの球根には、アルカロイドのリコリンを中心とする猛毒成分が含まれているので、そのままでは食べられません。
しかしこの毒は、よく水にさらせば無毒になります。それで、飢確になったときは、このヒガンバナの球根を毒抜きして食用にし、人々は飢えをしのぐのです。
けれども、最後の最後までこの非常食をとっておくために、
墓地などに植え、「彼岸花には毒がある」と言い伝えたわけです。
そうして、むやみにこの花に手を触れさせぬようにしてきた昔の人々の生活の知恵があります。










